稲垣元洋/ Inagaki,Motohiro
人生短し 気に入った竿で釣りしてください
神奈川県出身 岩手県岩手町在住
2011年安代漆工技術センター研修修了
AonsIwate/エキチカの漆市代表
関東在住時より、釣りをしに岩手県まで来るほど渓流釣り好きな稲垣さん。
あるとき、友人に誘われ岩手県北上市に移住しました。
教員として働き始めましたが、原因不明の体調不良に悩まされて断念。
自分のペースで働ける自営業に転身し、26歳で釣具製作の「AonsIwate」を立ち上げました。
仕事を進める中で、釣り竿の塗装剥がれが大きな課題となり、さまざまな塗料を試しますが納得のいく結果には至りません。
そこで目をつけたのが高品質で知られる浄法寺漆。
しかし、浄法寺漆は扱いが難しく、カーボン製の釣り竿との相性に疑問を抱く声もありました。
そんな中、稲垣さんはその可能性を信じ、安代漆工技術センターへの入所を決意。2年間の修行に励みます。
浄法寺漆は乾きが遅くサラサラしているため、直径1.4ミリの釣り竿に均一に塗るのは至難の業。
試行錯誤を繰り返すも、失敗が続き、何度も挫折しかけたといいます。
しかし、5年の歳月をかけて完成させた漆塗りフライロッドは、2018年に「グッドデザイン賞」を受賞。
この成果は、誰もやらなかった挑戦の結晶でした。
持病のクローン病と向き合いながらも、稲垣さんの情熱は衰えることなく、現在も釣り竿作りを続けています。
若手作家との交流や学校での出張授業、そしてイベントの参加など、自身の体調と向き合いながらも積極的に漆の魅力を発信しています。
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