KINOSHIRU 斎藤 奈津美/Saito, Natsumi

9000年前から日本人が愛用してきた伝統的素材を知って欲しい。

青森県弘前市出身 岩手県八幡平市在住

2016年安代漆工技術センター研修修了


漆を用いた筆記具やアクセサリーなどの製造販売を手掛けている斎藤さん。

趣味で作った漆のオオサンショウウオは人気を集め、両生類や爬虫類をモチーフにした独自の漆製品も展開しています。

作品を作る際に最も大切にしているのは、「触ってみたいと思ってもらえるものを作る」ということ。

幼少期から津軽塗の塗師だったお父さんの影響で漆を身近に感じていましたが、大学では映像を学び違う道へ。

ある時、自分たちの世代が使いたいなと思う漆の商品ってあまりないなぁと感じ、それなら自分で作ればいいんじゃないかと安代漆工技術センターに入所。

2年の研修を経て、オリジナルブランド「KINOSHIRU」を立ち上げました。

KINOSHIRUのコンセプトは「普段使いできる作品」

手ごろな価格で買い求める事ができ、漆に触ったことがない、興味がない人にも手に取るきっかけになればいい、自分はもちろん、手に取る人も面白がって漆を扱えるような商品を作っていきたいと語ります。

その作品の多くは、漆を塗ったあと磨かずに仕上げる岩手県の伝統的な漆塗りの手法を使っています。

人の手のシワは、青森県の津軽塗や石川県輪島の蒔絵など仕上げに人の手のひらで磨く工程があるほど、漆を磨くのにとても適しており、使うほどに手で磨かれ、艶が増していきます。
KINOSHIRUの作品は、使えば使うほどに艶を纏っていき、徐々に育っていく楽しさを感じられます。

齊藤さんは精力的に活動しており、各種イベントへの参加や、岩手県の観光推進事業でフランスでの実演や講演活動も行うなど、漆の魅力を国内外問わず広めています。

 近年では、セーラー万年筆より発売された麗シリーズ第2弾「樹水塗万年筆」を手掛け、活動の幅をさらに広げています。

今後は、漆そのものの色あい-透明感のある茶色、まるでプリンのカラメルのような風合いを活かしたものづくりをしていきたいと考えています。


https://kinoshiru.com/